こんにちは、管理栄養士ライターのあんでぃです。
日本人が古くから親しんだきた伝統食の梅干し。
そして、その梅干しを作る過程で副次的に作られる梅酢。
実はどちらも、「食中毒菌の増殖を抑える働き」があることをご存知でしょうか?
この記事では、
- 梅干しや梅酢と食中毒菌の関係
- 食中毒菌を抑える働きが強い梅干しの特徴
などを解説していきます。
また、食中毒菌を抑える梅干しですが、環境によっては腐ることもあります。
腐っている梅干しの見分け方や、腐りにくい保存方法についてもあわせて紹介しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね!
管理栄養士として病院で3年半勤務後「正しい栄養の情報をより多くの人に届けたい」という思いでライターへ転身。得意分野である栄養・健康管理に関する記事を中心に執筆活動をしている。動物園と相撲が好き。
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梅干し・梅酢には食中毒菌の増殖を抑える働きがある!
「梅干しを食べると食あたりになりにくい」との言い伝えがあるほど、梅干しやその梅干しを作る際の副産物である梅酢には、食中毒菌の増殖を抑える働きがあります。
紀州梅効能研究会が発表した実験によると、食中毒菌である「黄色ブドウ球菌(MRSA)」を入れた2本の試験管の一方に梅干しを入れ、人間の体温と同じ37℃で一晩温めたところ、「黄色ブドウ球菌の増殖が見られなかった」と発表されています。
合わせて「病原性大腸菌(O-157)」で同様の実験を行いましたが、こちらも同じ結果となりました。
梅干しや梅酢を摂取することで、体内で食中毒菌の増殖を抑えられる可能性があることがこの実験で判明したわけですね。
具体的には、梅干しや梅酢に含まれる
- クエン酸などの有機酸による、食中毒菌の増殖を抑える効果
- ベンゾアルデヒドやカテキンによる、食中毒菌の増殖を抑える効果
によるものとされています。
腐っているとむしろ逆効果になる
ただし、梅干しや梅酢が腐ってしまっている場合は、むしろ食中毒の原因となり逆効果となります。
例えば、塩分濃度の低い梅干しを常温で長時間放置すると、食中毒菌が増殖してしまうリスクがあります。
腐りにくいからと言って過信はせず、なるべく腐りにくい方法で保存をし、早めに食べることを心がけましょう。
【補足】減塩タイプは食中毒菌を抑える働きが低い
また、梅干しは食中毒菌の抑制が期待できる食品ですが、市販の減塩タイプの商品には注意が必要です。
近年の健康ブームによって、スーパーをはじめコンビニなどでもこうした減塩梅干しは販売されています。
しかし、減塩タイプの梅干しの一部には「通常の梅干しを水につけて塩分を抜くという製造手法(塩抜き)」が取られており、食中毒菌を抑えるはずの梅エキスが流れ出てしまっているケースがあります。
「減塩梅干しは、食中毒菌を抑える働きが弱くなっている可能性がある」ということを理解しておきましょう。
【梅干しも腐る!】梅干しが腐る理由は?
梅干しは腐りにくいと言われている食品ですが、れっきとした食べ物(有機物)であるため、当然腐ることもあります。
腐らせてしまわないよう、梅干しが腐ってしまう以下2つの理由を把握しておきましょう。
- 保存環境が悪い
- 塩分濃度が低い
保存環境が悪い
保存環境の悪さは、食品が腐ってしまう最たる要因です。
細菌が多い状態の食器や保存容器を使っていたり、高温多湿な場所で放置していると、食品は腐りやすくなります。
アルコールの噴霧や熱湯消毒など、殺菌処理を使用した器を使用したり、きちんと冷蔵庫に入れて保存するようにしましょう。
塩分濃度が低い
梅干しが腐りやすくなるその他の要因として、塩分濃度の低さがあげられます。
食品を腐らせてしまう微生物は生きるために水分を必要としますが、塩分濃度が高いと増殖するための水分を確保できず、生存ができなくなるためです。
しかし、スーパーやコンビニなどでよく見かける「減塩タイプ」の梅干しは、名前の通り塩分濃度をあえて低くした状態のものとなっています。
そのため、保存食として食べられてきた減塩されていない本来の梅干しよりも、腐りやすくなってしまってます…!
また、ハチミツで調味漬けされているものも塩分濃度が比較的低くなっているため、注意が必要ですね。
目安として、塩分濃度が15%以下の梅干しについては、腐りやすいので冷蔵庫での保存が必須と覚えておきましょう。
腐っている梅干し・梅酢の見分け方
腐っている梅干しや梅酢の見分け方について気になる方もいらっしゃいますよね。
そこで、安全に食べるために必要な、腐っている梅干し・梅酢の見分け方について紹介します。
確認すべきポイントは以下の3点です。
- 白いカビが生えている
- 色や味が変わっている
- 形が崩れやすくなってる
白いカビが生えている
梅干しや梅酢に白いカビが生えていたら、間違いなく腐っている状態ですので、すぐに廃棄しましょう。
形状が細かい粒状のものであれば、塩が表面に出ている状態も考えられるため、この場合は「腐っている」に該当しません。
ですが、繊維状のものが見えた場合は、高確率で白カビとなります。
湿度が高い場所や直射日光が当たる場所など、保存環境が悪いとこうした白カビは発生しやすいため、保存環境には気をつけましょう。
茶色や黒色に変色 or 味が変わっている
茶色や黒色に変色していた場合は、腐食が進んでいる可能性があるため、注意が必要です。
見た目で判断しやすいため、食べる前に必ず確認しておきましょう。
「苦み」を感じた場合も要注意です。
酸味が強い食品のため、味が変わっている場合は高い確率で腐っています。
すぐに吐き出してカビが発生していないか、色が変わっていないかを確認しましょう。
形が崩れやすくなってる
箸で梅干しを持ったとき、すぐに形が崩れてしまう場合には要注意です。
トロッとした触感や糸を引いている場合も同様ですね。
こうした状態だと腐っている可能性があるため、場合によっては廃棄も検討しましょう。
梅干しや梅酢を腐りにくくさせる方法
梅干しや梅酢が腐りにくくなる方法は以下になります。
- 殺菌済みの容器で保存する
- 冷蔵庫もしくは冷暗所で保存する
梅干しや梅酢そのものは比較的腐りにくい食品ですが、容器に菌が存在していて保存がしっかりできてないと、増殖して腐らせてしまう可能性があります。
特に、塩分濃度が低い梅干し(目安として15%以下)は常温での保存が難しいため、必ず冷蔵庫に入れて保存するようにしましょう。
保存方法については別記事で詳しく解説してますので、あわせて参考してみてください!
まとめ
梅干しや梅酢には、食中毒菌の増殖を抑える働きがあるため、食中毒の予防効果が期待できるでしょう。
特に、食中毒になりやすい暑い時期に梅干しや梅酢を意識的に摂取することで、効果を発揮しやすいと言えます。
ただし、梅干しや梅酢は食中毒菌の増殖を抑えるほどの制菌効果がありながらも、保存環境によっては自身が腐ってしまうこともあります。
色や味、形をよく見て、腐っているかをよく確認してくださいね。
梅干しや梅酢をそもそも腐らせないために、保存の仕方についても意識してみてください!
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